2012/07/17 ~4日目⑥~





北朝鮮の白頭山の天池
これが"革命的"絶景ランキング1位、北朝鮮の白頭山の天池。行軍の疲れも吹っ飛ぶ程の雄大な光景。一度噴火すれば全てを灰に帰す最凶最悪の火山だが、今は静けさを保っていた。それにしてもさすがはSONYのCyber-shot、高高度でも卓越した撮影能力。



朝鮮民族における最高尊厳の聖地をしばし1人で眺める。
外人は私だけ、他は軍人や共和国の人々が訪れていた。いざ、将軍峰に登ったり天池にも
降りてみようと思ったところ、遠くに居た男G達が駆け寄ってきた。


男G ゴンドラが今から下に降ります。帰りましょう。
えっ?! 天池に降りないんですか?
男G ゴンドラが次いつ来るか分からないですよ。乗らなかったらまた時間掛けて歩くことになりますけど。
それは構わないです。天池に下りましょう。
男G 天池に下りるロープウェイが先日の落雷で壊れて使えませんから、徒歩で下りてまたここに戻ってくると3時間くらいかかります。
このあと将軍様の生家にも行きますし他の予定もありますから・・・
男G2 ちょっと雲がかかってきました。雨が降るともう大変ですよ。


確かに若干雲がかかってきていた。時刻は丁度昼時で、昼食を取ろうにも彼らが高麗ホテルから持参した昼食はふもとに
止めた車に積んであり、どうしようもない状態。ここまで来て速度戦の強行軍とは想定外だったが、やはりアウェーなので
ここは百戦百勝のガイド達に従うほうが懸命か。しかしここまできて天池に下りれないのは残念すぎる・・・


ぐぬぬ・・・、わかりました。戻りましょう。
男G もう出発です、急ぎましょう。



白頭山頂上滞在時間、10分!

やむなくゴンドラに駆け足で乗り込むも、そこには今までにない思い掛けない光景が。
ゴンドラの一番後方に乗り込んだが、我々以外全員が軍人で満員状態。肩の腕章から察するに幹部クラスがズラリ。
私が立っている場所の目の前に軍人2人がこちら向きに腰掛けていて、2人ともおじいちゃんで、肩に大きい★が一つ。
日に焼けて荒れた肌が軍歴の長さを物語っている。1人はサングラスを掛け、孫をふとももの上に乗せてキセルをくわえながら
小さい男の子の孫と車窓の景色を眺めていて、雰囲気はマッカーサーさながらといった感じ。もう1人は農家に居そうな小柄な
おじいちゃんで、部下の若い女性軍人と和やかに会話している。
おっかない軍人の意外なほのぼの風景、案外みんな普通の人達なのだと感じた。


彼らは朝鮮人民軍大将ですか?
男G ソジャン、少将ですね。


同志達はこんなサプライズを用意していたとは。行けなかった場所もあったが、結果オーライ。
異様な緊張感を感じながらなんとか無事に笑ってはいけないゴンドラを降りる。



一緒に降りてきた軍人の団体。仁義無きシリーズで見たようなサングラスのいかつい将校達がたくさん。その中に肥えた恰幅の良い人が居たが、やはり幹部は良い暮らしをしている模様。ちなみに首都平壌ですら太った人は見かけない。



車で白頭山を後にする。途中にあった白頭山の湧き水の滝。
北の大地
地上の楽園にふさわしい美しい大自然。



白頭山密営の金正日総書記の生家到着。

清らかな川のせせらぎ。夏だが水は恐ろしく冷たい。



森の中なので涼しい。

ここでお昼ごはん。↑の川で同志達が持参したビールを冷やす。



大同江ビールで乾杯。床がオンドルで暑い;

目玉焼きや餃子など、高麗ホテル特製弁当。登山の後なので味もひとしお。


ここは涼しくていいですね。軍人達もここに配属されれば幸せですね。
男G そうでもないですよ。(功を挙げる為)やはり前線に行きたがる人が多いです。
勿論、どうしてもここを守りたいという熱意があれば、こちらに配属される事もあります。
なるほど。こっちは洪水の影響はどうですか?
男G こちらは大丈夫です。
先日将軍様の肖像画を守りながら洪水に流されて亡くなった女性の学生の記事を見ました。あれは本当ですか?
男G あぁ、ありましたね。(※本当だったとは。軍旗を守って散っていった日本軍に通ずるものがある気がする。)



左から若き日の金正淑同志と金正日同志、そして金日成同志。

司令室。ここから抗日作戦を指揮していた。この女性は別に軍人ではない模様(衣装だけ)。



綿密な主体作戦が練られていたのだろう。

金正日同志の生家。



右側が幼い頃遊んでいたという積み木。将軍型権力ピラミッドの原点。

真ん中が金正日同志。若い頃は控えめで大人しかったらしい。


将軍様の若い頃はロシアにもいらっしゃったとか。
男G2 んー、その辺は回顧録に正しく書かれていると思います。



正日峰。あの文字の石材は1個100トンくらいとの事。

神々しくそびえる白頭山密営の正日峯。


大自然に囲まれているせいか、蜂や蠅がブンブン飛んでいる。
日本のハエ取り紙を持参すればきっと喜ばれるだろう。国交が回復すればこの聖地の景観維持の為、
カ●井加工紙(株)が大得意先となる日も来る、・・・かも。案内してくれた女性案内員にお礼としてチョコレートと
BBクリームを手渡した。※中央日報:北朝鮮の富裕層女性にも人気の「韓国産BBクリーム」

以前将軍様が女性軍人にクリームを送ったと聞いています。(※BBではなく、ハンドクリームだった。)
男G そういえば聞いたことあります。

日焼けに負けず、是非とも革命発祥の聖地をしっかりと来訪者に伝承していってもらいたいと思いながら
その場を後にした。日本製でランキング1位のBBクリームだが、果たして朝鮮の方々の肌に合うのだろうか。

我々とすれ違いでどこかの若い部隊の列が、崇高な革命精神を学ぶべくこの聖地を訪れていた。





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