2013/10/10 ~7日目~




朝6:30の高麗ホテルロビー。

軽く朝食。



さらば、金剛山。
ピョンヤン
身支度をして空港へ。



ピョンヤン駅通過。

ありがとう、大元帥様。



凱旋門通過。

永世塔。



見慣れた空港までの田舎道。

さようなら、大元帥様。↑意味:主体の太陽として永遠に戴かん。


空港に着いて到着後、まず運転手さんと別れの挨拶。その後女G2の指導のもと出国カードを記載。
その間男G3の姿が見えなかったが、しばらくするとこちらにやってきた。

同志、どちらへ・・・
男G3 もうお別れかと思うと胸が詰まって外で泣いていましたよ。
(笑)、ありがとうございます。(※↑100%タバコ)

そんな会話を交わしつつお礼を言って再開を誓い、惜しみつつお別れして税関ゲートへ。
いつまでも見送ってくれる同志達。今回も本当に色々気を遣ってもらって世話になった。
ありがとう!


ゲート入り口で若くて爽やかな男性係員に金属探知機で体を調べられるのだが、金目の物は全部
外したにもかかわらず上着のポケットに探知機が反応。何だろう?と思ってポケットを探ると、
さすがは百戦百勝の私、一応何かあった時用に忍ばせておいたセブンスターが反応した。

もう旅も終わり、タバコなんて持ち帰っても日本にはいくらでも売っているので係員の若いお兄さんに
渡してみる事に。以下、朝鮮語会話。


吸います?差し上げます。
おぉ、朝鮮語分かるの?
えぇ、少し。タバコどうぞ。ケンチャナヨ。
いいの?? 本当にありがとう!!


彼の最高のスマイルは生涯忘れられない。



係員に聞くと、飛行機は撮って良いとの事。撮っていたら側に居た台湾人の若者が私に笑顔で「撮りましょうか?」というジェスチャーをしてきたので、遠慮無く飛行機を背景に1枚撮ってもらった。金剛山で見た人だったが親切な台湾人に感謝! 台湾にもまた行かねばなるまい。


飛行機に乗り込むと私は右列通路側の席、右隣の席に北朝鮮人のおじさん、
通路挟んで左側にその人の連れの方達が座っている。右隣のおじさんは身なりは
スーツではなく普段着で、なんとなく普段着の漁師っぽい雰囲気。髪はぼさぼさ。

そのおじさんが私が手に持っている出国カードをガン見してくる。やっぱり日本人は
珍しいのかな、と思って気にしなかったが、どうやら出国カードの書き方が分からない
らしく、しばらく見せてあげた。

しばらくすると、ここには何を書くのかと言う様なジェスチャーをしてきたので
つたない朝鮮語を駆使して教える事に。

どこへ行きますか?
右隣 ジュングッ(中国)。
中国のどこへ行きますか?
右隣 デサグヮン(大使館)。
それをそこに書いてください。

大使館??
何しに行くのかこのおじさんは。
とりあえず北朝鮮と中国でお互い日々多くの人達が行き交っている模様。
この人の好きな食べ物はプルコギ、冷麺は玉流館が旨いとの事。そういえば共和国で
プルコギは食べなかった。次の楽しみとしよう。

機内でモランボン楽団の演奏が放送されると、通路挟んで左隣に居た私の右隣の人の
連れの人、往年のレオナルド熊っぽいおじさんが「あれ見てあれ!」といった感じで私に
教えてくれた。あぁいうのが新しく出てきて共和国の人達も結構喜んでいるんだろうなぁ
と思えた。きっとピンクレディーブームが今来たような感じなのだろう。

北京の空港に到着し、混雑の中飛行機から降りてしばらくすると、さっき左隣にいた人が
後から降りてきた。そして彼の元に行き、私から右手を差し伸べ、彼に別れの挨拶。



ジョイル ウホ!
(朝日 友好)!

ウホウホ!
(友好友好)!



がっしり硬く握手を交わし、長い帰路に着いた。



北京の空は報道されている程曇っておらず一安心。



~まとめ~

帰国後に「散るぞ悲しき」という太平洋戦争での硫黄島の戦いがテーマの本を読んだ。本土から補給も途絶えて
圧倒的物量差で勝ち目が見えない地獄の島で、指揮官自らが陣地を見て回り兵士を勇気付け、頑強な地下陣地
を構築して兵士全員が極限状態の中で果敢に戦い、米軍に歴史的損害を与えたという話だが、読んでいて何かを
感じた。これは今の北朝鮮ではないか、と。
戦前の日本と北朝鮮でその本質が大きく異なる事は承知だが、日々現地指導して人民を励ます指導者、憲兵=
保衛員、国防婦人会=朝鮮民主女性同盟、配給制等々、軍人が街中を闊歩する様はまさに教科書で見た敗戦
直前の日本。だが何故硫黄島が結びつくかというと、北朝鮮に行ってみなくても分かるけど行ってみるとさらに
感じる事は、北朝鮮は地上に何も無さ過ぎる事。経済格差云々の差ではなく、朝鮮戦争後60年掛けて壮大な地下
陣地を構築しているとしか考えられない。そういう感覚もあって、戦前の詳しい様子は分からないけれどもなんとなく
北朝鮮に日本を感じてしまう。

独裁体制の後進国が日本に似ているなんて有り得ない、と斬って捨てるのは簡単だが、日本が北朝鮮に及ばない
点は、一応は国家として自立しているという点だと感じた。日本も韓国も軍事をアメリカに頼れたからこそ経済が発展
している訳であるし、アメリカが見放していたら北朝鮮とは言わないまでもこんなに発展できていたかは不明である。
北朝鮮も経済的には立っているのがやっとと言われてはいるが、一人で立てているのと立てていないのは大きな差
がある。日本は北朝鮮を国家承認していないが、国家として体裁が整っているのは果たしてどっちなのか、この国と
出会って自国の問題点を考えさせられた。



信頼の全日空。ここまで来るとほっと一息。


昨年年末にまたもや世界中を激震するニュースが飛び込んできた。影の実力者と言われ続けてきた張成沢氏が
無慈悲かつ電撃的に処刑された。親中派と言われた彼が居なくなり、これで金第一書記の中国に対する態度が
はっきりしたようにも思われ、ロッドマン氏を招聘したり風向きはどちらかというと親米に向いているような気がする。
拉致問題に関しては飯島氏が訪朝してから特に大きな進展は見られないが、このところ反日発言が目立つ韓国が
次に決定的な反日策を講じてきた場合、対抗措置として安倍総理の電撃訪朝も有り得る事態になってきていると
言える。北朝鮮に行くと大体のガイドが「日本は大国追従で独自の外交ができていない」と言う。日本にも色々と
歴史的背景があってそうせざるを得ない訳で返す言葉も無いが、国家の威信に関わる拉致問題や東アジアの
安定という面では、もう少し独自の対話路線で行動するのも良いように思われた。

北朝鮮「拉致担当相もお越しを」 猪木氏が帰国 - MSN産経ニュース

↑本当ならさっさと大臣も行って話を進めてきて欲しい。行っても話が進まないなら無駄という消極策ではなく、
拉致担当大臣として、本気で解決する!という姿勢を是非とも国内外に見せて頂きたいところである。
「拉致担当相も」、という発言は、向こう側もまだ拉致は解決していないという事を認めている事になり、解決済
という態度から軟化しているので一歩進んだように思える。
猪木氏の訪朝について色々賛否両論だが、彼が行かなければ北朝鮮関連のニュースはほとんど報道される
事はなく、例え成果が見られなくても両国の問題風化防止の面では有益な行動に感じられる。国家が動けない
以上、この問題を考える国民1人1人の行動こそ、少なからず解決につながるのではないだろうか。

記:2014/02/16

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外務省:北朝鮮に対する渡航情報




お疲れ様でした。当サイトが民間における日朝の文化相互理解に役立てば幸いです。


◆ あると便利な物 ◆
タバコ セブンスター【ソフト】が一番オススメ。北朝鮮男性の大好物で、持参すれば【話の分かる人】と認定される事間違い無し。現地では日本製の物は何でも高級品なのでこのタバコも例外では無く、一般人はなかなかお目にかかれない逸品。無論持って行かなくても差し支えないが、言葉だけでなく行動で日本人のおもてなし精神を伝え、より親密な交流を期するならコレしかない。日本の空港の免税店で買うと安い。海外の空港では現地法人が作っている可能性があるので日本で買った方が良いかも。
チョコレート 向こうの女性はタバコを吸わないので代わりに。日本のコンビニで売っている物でも現地では十分高級品。現地の商店でも日本製品が売られてはいるが、日本と中国の合弁会社が中国で製造している物が多く、味は日本で製造された物の方が良いとの事。
私の場合、飛行機疲れ対策の鎮痛剤「ロキソニン」が毎年役に立っている。北朝鮮ではやたら食事が多く提供されるので、人によっては胃腸薬、止瀉薬等もあると良いかもしれない。
デジカメ予備電池 動画を撮るなら必須。移動中の車内に車載充電のコンセントがある場合も。
革命資金 日本政府の反共和国策動により北朝鮮には10万円までしか持ち込めない。基本的には平穏な国だが、北朝鮮に限らず海外では何があるか分からないので使わなくても10万円以下で持てるだけ持っていった方が無難。食事は旅費に全て含まれているのでお金を使う事はほぼ無いが、旅行社が指定する食堂以外を希望する場合は1件あたりガイドを含めた食事代として1万円程かかる。
その他ポイントとしては細かいお金を持って行くと便利。記念碑での献花代、アミューズメントの入場料、露天で物を買う時、チップ(基本不要だが気持ちで)等、行く先々で日本円以外で500円1000円程度のちょっとした支払いが必要となる事がある。ちなみにユーロが一番使えるが、万全を期すなら中国も通過するので中国元も少し用意すると良い。
余談だがユーロと元を日本国内の某両替店で両替すると、「どの国でどんな用途でご利用ですか?」と聞かれた。普段聞かれた事が無かったが、通貨の組み合わせが怪しかったのだろうか…。


◆ 主体式行軍指南 ◆
朝にホテルで提供されるペットボトルのミネラルウォーターは、残ったら部屋に持って帰ってそのまま持ち歩く事。共和国に自販機は無い。
デジカメの予備電池を持参し、常に持ち歩く事。私の場合金剛山の山頂で電池が切れてしまい、予備電池を使おうとするも電池を入れた鞄を車中に置いてきてしまって交換できず・・・。山頂の絶景を撮った直後だったのでダメージは無かったが、持ち歩いた方が良さそう。自力更生の社会主義貫徹精神を逸脱して形式主義に陥ってしまった自分を自己批判。
最初の旅程をガイドと決める際、晴れの日に屋外の観光地を詰め込む事。屋内のコース(記念館や土産物店)は天気の悪い日に回すべし。ガイドにそう伝えればそのように旅程を組んでくれるので、天候をしっかり考慮すれば、社会主義強盛国家の勝利を確信できる晴れ模様の立派な写真が記念として残るだろう。
スマホを含む携帯、パソコン、小説や雑誌、フィギュア類など大抵の物は持ち込めるが、体制に響きそうなメディアは見つかると非常にマズイので持っていかない事。正男や料理人の本は×。料理人の週刊誌の記事を持ち込んだら、ガイド達からガチで怒られた
トイレは特級ホテルといえども詰まりやすいのでこまめに流す事。紙が十分に置かれていない場合があるのである程度紙は持参すると良い。


◆ 気付いた事 ◆
中外旅行社 or 307 どっちの旅行社を使っても共和国にたどり着けるし料金の違いは感じられない。中外は中国や北朝鮮の入境時の紙が記入済みであらかじめ送られてくるので便利だった。307は記入方法のサンプルが送られてくるのでそれを見ながら記入。差はそれくらいなので、それぞれホームページのプランを見て気に入った方を選ぶと良いかも。
おすすめの観光場所、見どころ 玉流館 ・・・ 民族料理の最高峰、冷麺の聖地。話のネタに◎。
板門店 ・・・ 統一したら無くなるのでお早めに。観光は丸1日かかる。
錦繍山太陽宮殿 ・・・ 圧倒的に色々凄い。失礼の無い服装でどうぞ。
マスゲーム(夏季限定) ・・・ 一生に一度は見ておきたい主体芸術。
平壌駅 ・・・ 行き交う市民や軍人の活気を肌で感じられる。
改善の余地アリ かの国の人々は老若男女が道に痰を吐く。偉大な首領金日成同志と、大城山に眠る革命烈士を始めとする祖国の英霊達が命懸けで築いた民族の聖なる大地を何と心得るのだろうか。人民の愛国精神の欠如が危ぶまれる。



◆ よくある質問 ◆
反日では? そういう敵意むき出し感は微塵も感じず、むしろアメリカの子飼いの日本は眼中に無い印象。お互いほとんど交流の無い国同士なので、現地の人も日本人を物珍しい様子で見てくる。ただ日本製品だけは一目置いているようで、平壌市民にも人気が高く高級品として親しまれている。
ずっと監視? 監視というよりは、私の解釈ではボディーガードと考える。というのは、かの国の男性はほとんどが軍隊に行き、そこで武術やら解錠、危険物取り扱い等の様々なスキルを身につける。仮に強盗が居たとしたら日本のそれよりはかなり手強いものとなるだろう。さらに日本からの帰国者がある程度裕福な暮らしをしているのを共和国の人々は見ているので、日本人には余計に護衛の人数が必要となっているのではないだろうか。
お土産没収? 北朝鮮に行ったからといって税関が特別にチェックを厳しくする訳でもなく、私自身荷物を開けられた事も無いので不明。某議員のようにおおやけに行くと言って訪朝する場合は当然ながらチェックが厳しくなる。
一人で行動? しれっとホテルを抜け出す事は可能。ただし駅などでは誰かが通報するシステムがあるようで(実際に駅で通報された人を見た)、安全面も考えたらあまり遠くまで行かない方が良い。料理人の書籍では金正恩第一書記でさえ「夜は危ない」と言っている。仮に一人で出かけても入れる店は無いだろう。
アメリカに入国不可? 北朝鮮に行った1ヶ月後にハワイに入国できたので問題無し。偉大な元帥様と党の格別なご配慮によりパスポートには北朝鮮の入出国記録が残らないようになっているので、北朝鮮に行ったからと言って影響は無い。ヨーロッパ人や中国人達はかなりの人が北朝鮮に行っているのでいちいち制限していられないと思われる。のちに韓国にも問題無く入国できたが、ちょっと緊張してしまう。