2013/10/06 ~2日目①~




ふと目が覚めてしまい、朝3:30起床。今日は偉大な首領様と偉大な将軍様にご挨拶する日のせいか、早朝から目が冴える。起きて窓から主体思想塔を臨む。
主体思想塔
夜が明けてきた。朝5時から1時間おきに時刻を告げる音楽が市内に響き渡り、ぽつぽつマンションの灯りがついて起床する人が見受けられる。



テレビでNHKも見られるが英語放送なので内容がよく分からない。
北朝鮮の高麗ホテルのエレベーター
去年までエレベーター内にあった日立製のブランドロゴが消えている気がする。



ロビーで女G2と合流し、朝食会場へ案内される。

味は良いが毎度ながら食べきれない。


パンとお粥両方食べる日本人は多分稀だし自分で取るビュッフェにした方が食材ロスも少ないと思うが・・・。
今回学んだ事は、おかゆは朝鮮語で「ジュッ」というので欲しい場合は「ジュッ ジュセヨ」と言う。しこたま飲んで
食べる旅行なので翌朝の御粥は非常にありがたい。覚えておくと良いかも。大体他にはコーヒーやヨーグルトを
勧められ、お粥が出てきても普通のご飯も提供されるので要らない場合は「ケンチャナヨ」と言えばOK。
ここの給仕は中国語は堪能だが日本語は通じない。マネージャーっぽい人は少し日本語が分かるようだった。

食後、出発まで時間があるので女G2さんと散歩に行く事に。



10月の朝はやや肌寒いが日中は暑い。

多くの市民と地下道ですれ違いながら駅へ向かう。


朝は涼しいですね。
女G2 朝と夜だけ少し冷えます。
そうそう、同志(ドンジ)と同務(ドンム)、どう使い分けますか?
女G2 同志は自分より年上、同務は年下の人を呼ぶ時に使います。
同志を付けて呼ぶ時はフルネームで呼ばないと失礼ですか?
女G2 金さんと李さんはフルネームで呼ばないとみんな振り返ってしまいますのでそのように呼びます。
それ以外は上の名前に同志を付けるだけで大丈夫です。
例えば朴さんだと朴同志で良いですか。
女G2 はい、金さんと李さん以外はそんな感じです。
わかりました、女G2同務。いま国旗型のバッジを付けてますが丸いのもありますね。
女G2 スーツには国旗型、普段着には丸いバッジを付けたりします。

今日は日曜ですが結構人居ますね。
女G2 はい。こちらは月~土まで仕事ですから日曜日は地方の家族に会いに行く人、買い物に行く人、色々です。
(※週休1日、ただし残業は無いらしい)
土曜は革命学習でしたっけ。
女G2 午前中は仕事、午後はそれぞれ学習です。大体は各職場で必要な知識を学んだりします。
最近生活総和には参加していますか?
女G2 ・・・、秘密です。(※彼女はあまり突っ込んだ話はしてくれない)


平壌駅 DPRK Pyongyang Station
1年ぶりの朝8時の平壌駅。活気があって良い。↑駅の文字:偉大な領導者、金正恩同志万歳! 栄光ある朝鮮労働党万歳!


すれ違う人々は我々をじっと見つめてくる。

私は普通のスーツを着ているのに何で外国人と分かるんでしょうか。(※私の今日の服装は通勤スーツ)
女G2 それは髪型ですね。朝鮮の男性はもみあげを剃りますから。
なるほど、そこが社会主義的では無かったんですね。



Pyongyang


男G3と合流してホテルへ戻り、錦繍山太陽宮殿へ。
彼の弟分のガイドさんともホテルで会うことができ、お約束でタバコを手渡した。
この方とも2年ぶりの再会、彼にもいつか私に付いて貰いたい。

ではギサニム(技師様)にも、と言ってタバコを運転手さんに渡そうとすると・・・

女G2 ギサニム?それは南の言い方じゃないですか?
そうでしたか。こちらではウンジョンス(運転手)とかですか?
女G2 ウンジョンスです。

女G2 アヒルの焼肉は食べました?
2年前と去年食べました。去年は焼肉屋で食べました。焼肉ってプルコギって言うんですかね。
女G2 プルコギはちょっと違います。ジョッセグイ、網焼きと言います。
なるほど。
女G2 チゲもこちらではジジゲです。
ほぅ。



先客のヨーロッパ人団体客。

去年外からしか見られなかった宮殿が眼前に。


彼らの中にジーンズで来ている無礼者も居ますが良いんですかアレは。(※ここは正装必須)
男G3 外国人は短パンとか変な恰好でなければ大丈夫です。
ヨーロッパ人が多いですが中国人もここに来ますか?
女G2 中国人はあまり来ませんがヨーロッパ人はよく来ます。
(※中国人に中で騒がれるとまずいから敢えて観光コースに入れないのかも)

男G3同志も本当は英語とか学びたかったんじゃないですか?
男G3 僕は元々ロシア語をやっておりました。昔は道単位で義務教育で教える語学が分けられていて僕の地方はロシア語だったの。
そうでしたか。
男G3 その後人民軍に入隊して5年勤めました。正規軍よ?日本語ガイドで軍隊に行ったのは僕だけじゃないかな。
凄いですね、男Gさんも男G2さんも行ってないですもんね。(※おぉー、こんな人を待っていた!)
男G3 島を守ったり工事現場で建設作業をしたり、小隊生活ではみんなの服を洗ったりそりゃぁ大変でしたよ。
それで認められて党員になる事ができました。その後もずっと軍人でいくつもりだっただけど、ある日上官に呼ばれて
「外国語大学に行ってみないか」と言われてそっちに行く事になって。そんな事全然考えてなかったからもーびっくり。
元々ロシア語をやっていたからロシア語をやりたいと言ったけど、空きが無かったので日本語になっただ。
そうでしたか。(※ドラマ化したら大ヒット確定。だがもっと意外な経歴を後で聞く事になる)

兵役って10年ですか?
男G3 そんなに長くない。
女G2 そんなに長かったら他に何もできないじゃないですか。長くて5年です。
(※wikipediaの兵役情報は古かったのか、北朝鮮の兵役は10年も無い模様。詳細は後述)

ここって専用の電車通ってませんでしたっけ?
男G3 あそこが終着駅です。こちらの人は電車でここまで来ますが外国人は車でここに付けます。



男G3は駐車場で待機、女G2と整列して中へ。


整列している間にふと彼女の手元に目をやると、彼女の腕時計が太陽の光に当たってキラッと輝いた。
よーく見てみると、なんとあの伝説の時計を身に着けているではないか。


同務、そ、それは金日成時計じゃないですか。エリートですね。
女G2 これは母から貰いました。母が仕事で表彰されましたから。


それはスイスの時計メーカー"TISSOT(ティソ)"とハングルで 金日成と書かれたダブルネームの時計だった。
共和国で功があった人にしか貰えない貴重な恩賜時計。彼女のオモニは相当大物なようだ。
財布以外の貴金属は持ち込めず入り口でカメラを預け、奥へ進む。

そういえば2年前に付いた女Gさんも母から貰った時計を大事にしていた。
フランスでエルメスのバッグを母から子に継承するが如く、良い物は受け継いで使うといった
ヨーロッパ式の文化がある模様。





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